3.11東日本大震災の市川を振り返る

  2011(平成23)年3月11日14時46分、三陸沖で深さ24キロメートルを震源とするマグニチュード9.0の地震が発生しました。東日本大震災です。
 都心部では公共交通機関が停止し、帰宅困難者が大量に発生しました。
 千葉県市川市では震度5弱。沿岸部を中心に液状化現象が起こり、道路が亀裂したほか、水道管にも被害が及びました。
 東京湾に面しているだけでなく、大小の川が流れる市川市は、埋立地だけではなく、台地に挟まれてかつて谷底だった地域でも揺れやすく液状化現象も起こりやすいと考えられています。東日本大震災では、台地の浸食でできた地域でも液状化が報告されています。
 北部では崖崩れも起こっていますが、影響は小さかったようです。

 

 震災後は、福島第一原子力発電所事故に伴う計画停電が行われました。保育園や小中学校で給食が提供されなくなったほか、高層マンションではエレベーターが使えなくなり、日々の買い物に苦慮する人も少なくありませんでした。
 加えて、放射性物質の飛散で、水道水を飲み水として使用することが忌避されたために、スーパーなどでは飲料水を奪い合うように購入する姿も見られました。

 今回は東日本大震災を振り返ります。


津波

 東日本大震災で発生した津波で、千葉県旭市では14名が犠牲となりました。旭市での津波は最大で高さ7.6メートルでした。
 東京湾に面する市川市では、津波による被害はほとんどありませんでした。
 東日本大震災だけでなく、地震が起こった際にはSNSで津波と高潮を混同した情報などが多数出回りがちです。これまでの歴史を振り返ると、市川市で浸水被害に警戒が必要なのは台風などでの高潮といえます。

■関連記事千葉県津波浸水想定図で、市川市が関係する図面はこの3つ

市川大百科事典 つ 津波 つなみ


火災

 火災が2件発生し、1件は小火でした。もう1件は中山エリアの埋め立て地である高谷新町の工場で、亜鉛メッキ用の溶解槽から溶融亜鉛メッキがあふれ出し、電線被類に着火したもので、14時53分に通報を受け、消防隊が駆けつけて15時30分に消火活動を完了しています。

 千葉県内では、東日本大震災の余震で2011年3月11日15時15分に茨城県沖地震が発生しました。このときに、市原市のコスモ石油(株)千葉製油所の液化石油ガス(LPG)のタンクが爆発して、火災が発生しました。
東日本大震災記録誌より

 この火災がSNSでは誇張して拡散されました。


液状化

 沿岸部や池の周囲などで液状化現象が起こりました。

液状化とは、地震が発生して地盤が強い衝撃を受けると、今まで互いに接して支えあっていた土の粒子がバラバラになり、地盤全体がドロドロの液体のような状態になる現象のことをいいます。液状化が発生すると、地盤から水が噴き出したり、また、それまで安定していた地盤が急に柔らかくなるため、その上に立っていた建物が沈んだり(傾いたり)、地中に埋まっていたマンホールや埋設管が浮かんできたり、地面全体が低い方へ流れ出すといった現象が発生します。


 液状化した地面は泥水と砂が混ざり合っているため、凸凹が激しく、歩くと足が深く埋まるケースもあります。道路が冠水し、車については、タイヤが泥に埋もれて車両故障や立ち往生のリスクが高くなります。
東日本大震災における市川市の被害及び対応の記録より

 液状化した地域では、古いブロック塀などが倒れてくる可能性があります。

市内で液状化が報告された場所

○本八幡駅北エリア

大町公園(動植物園)  大町284 池周辺一部液状化
弁天池公園  曽谷2丁目460 一部液状化
じゅんさい池緑地 中国分4丁目461 通路液状化

○妙典エリア

塩焼中央公園 塩焼5丁目6 広場、園路が液状化により、土砂堆積、亀裂、段差の発生
塩焼小学校 校庭亀裂
塩焼幼稚園 液状化

○南行徳エリア

塩浜中央公園 塩浜4丁目8 広場、園路が液状化により、土砂堆積、亀裂、段差の発生
塩浜1号公園(塩浜体育館南側運動広場) 塩浜4丁目3 広場が液状化により、土砂堆積、亀裂発生 
塩浜第2公園と駐車場 塩浜3丁目25 園路が液状化により、土砂堆積、亀裂、段差の発生、鋼矢板護岸の傾斜
行徳近郊緑地特別保全地区 新浜3丁目1 鳥獣保護区内観察路の液状化
市川漁港 漁港施設の傾斜、構造物の沈下、段差の発生
塩浜1丁目護岸 土砂噴出、舗装面の沈下、亀裂
塩浜団地4号棟 液状化
塩浜小学校 液状化
塩浜中学校 液状化
塩浜地区道路(特に千鳥橋周辺) 液状化の砂で車体が埋没


下水道

 南行徳エリアの福栄4丁目6で、下水管が浮上して、勾配不良が発生しました。

上水道

 被災した水道管からの漏水による二次災害を抑えるためで、千葉県水道局は妙典給水所から浦安市へ送水する水道管の水圧を通常より下げました。その影響で行徳地区の約83,000戸では水が出にくい状況になりました。ハイタウン塩浜の中高層階の約2600戸は、3月11~19日に断水となり、ペットボトル水で給水活動を行われました。それでも不足していたため、浄水器を使用して学校のプールの水も飲料水として使用しました。
 塩浜小学校や塩浜中学校も断水し、月曜日からの学校再開では、トイレにはプールの水を使用しました。
 葛南工業用水道は送水管からの漏水があり、3月23日まで上水道と工業用水道が出にくい状態になりました。

 水道から放射性物質を検出されたため、3月24日か25日のどちらか1回のみ市役所本庁支所などで乳児1人にペットボトル1本(2リットル)のミネラルウォーターが配布されました。

電気

 地震と津波で複数の発電所が停止したため、東京電力と東北電力の管内では計画停電が実施されました。計画停電とは、地区ごとに順番に、一定の時間を計画的に電力供給を止めることで、電力の使用量を減らすことです。
 東京電力の管内である市川市では3月14日午後5時から計画停電が始まり、28日まで行われました。 

ガス

 京葉ガスでは一部の地域でガス導管に被害が発生し、浦安市の入船4~6丁目でガス供給が停止しました。
 市川市での供給停止の情報については、ヒットしていません。
 ガスメーターの安全機能で自動停止し、復帰する方法がわからない人が多かったようです。

○京葉ガス ガスメーター復帰方法


交通

 地震発生直後から、首都圏ではJR東日本・私鉄・地下鉄の全線で運行が停止されました。利用できた主な公共交通はバスだけでした。バスは大混雑で、タクシー乗り場にも長蛇の列ができました。
 当日の夜に、一部の私鉄と地下鉄で運転が再開されました。
 地震翌日からはJR総武線の運行が再開されたものの、計画停電の影響で本数は削減されました。

■主な参考資料
千葉県サイト

市川市 地区別減災マップ

市川市 液状化マップを作成しました

東日本大震災における市川市の被害及び対応の記録

東日本大震災<千葉県 各市ろう協まとめ> 被害状況の経過報告 4月1日現在


京葉ガスは浦安の5000件以上で依然都市ガスの供給停止続く、3月中の復旧に全力【震災関連情報】

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