ムクドリはなぜ大群で人間の住む地域に押し寄せるのか

  駅前や住宅の樹木の中、それから電線の上で、おびただしい数がギャ、ギャ、ビュル、ギュルと鳴いているムクドリ。カワウと同様に、テレビ番組でも「鳥害」としてムクドリの大群が取り上げられました。





 千葉県市川市内でムクドリとの遭遇率は極めて高く、江戸川河川敷では野生を失って、人間が近くにいても逃げようとはしません。

 千葉県では、ムクドリによる糞害や騒音、電力設備障害、航空機衝突などが報告されています。




学名 Spodiopsar cineraceus
※漢字では椋鳥

分類 スズメ目ムクドリ科

体長 24〜25cm 

翼の長さ 11〜13cm

体重 75〜90g

羽色 背は褐色がかった黒で腹は白っぽい

生息地 北海道から九州の平地・低山地

エサ 春から夏にかけては昆虫(毛虫、バッタ)やミミズで、秋から冬にかけてはカキやナシ、モチノキの実などの木の実

産卵数 4~7個
※巣立ち雛数は3~5羽

 ムクドリにとって、人間は都合のよい共生相手だといえます。主な天敵であるタカやフクロウ、カラス、ヘビなどが、人間の近くにいれば近寄ってこないからです。人家の穴(通風孔やダクトなど)にムクドリが巣を作っている様子を見かけたこともあります。住宅街の中で、ピーピーと鳴き声が騒がしいので、「どこから聞こえてくるのだろう」と見回すと、ヒナが古い家の換気扇の穴と思しき場所にいました。

 市川市の記録では、5000羽近いムクドリが行徳駅周辺に最初に飛来したのは2004年とのこと。駅前の街路樹や周辺の電線にムクドリが集まってきて、大量のフンが落下して近隣住民などから市に苦情が寄せられたそうです。

 ムクドリのねぐらはケヤキやクスノキなどの樹木で、ねぐらに移動する前に電線などに集まってきます。
 ムクドリを追い出すために、樹木の強剪定やネットかけ、忌避音、爆竹、鷹匠などといったさまざまな方法が用いられてきたものの、郊外の林には移動しなかったとのことです。

 市川市については、以下の対応を行ったそうです。
1)電線に止まらないようにするための忌避(きひ)装置の設置を電力会社へ依頼
2)街路樹にねぐらを作らせないようにするため樹木を剪定
3)ねぐらとなる電線前の建物に鷹などの猛禽(もうきん)類の模型を設置
4)糞の除去をするため道路を清掃

 前述したように、ムクドリにとって人間は都合のよい共生相手なので、人間の住む地域から離れていくことはなさそうです。ベランダにフンをされるのは非常に腹立たしいのですが、カラスとは違って生ゴミをまき散らすことはないので、うまく共生する方法を考えたほうがよいのかもしれません。

■主な参考資料
日本鳥学会2017年度大会自由集会報告:全国で増える都市のムクドリ塒問題を考える


 
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