リトルプレス『クラナリ』vol.2「ローカルフェスのつくり方」 Have A Good Day Motoyawata ~「市川から東京へ」という人の流れを「市川から市川へ」
湊誠也さん |
湊誠也さんはHave A Good Day Motoyawataの発案者であり、いちかわ手づくり市実行委員会のメンバーでもあります。
あくまでも個人的な印象ですが、湊さんが主にプロデューサー(テーマ設定、ディレクション、場づくり)、いちかわ手づくり市実行委員会代表の宮川はるみさんが主にマネージャー(予算・人材の管理)という役割で、Have A Good Day Motoyawataは運営されているのではないでしょうか。
Have A Good Day Motoyawataというローカルフェスが初回から盛況である理由は、いちかわ手づくり市実行委員会としての約10年の実績と、互いに必要なものを差し出して協力し合う体制ができていたからだと考えられます。
「地域おこし」「町おこし」がある種のブームになっているようですが、「じゃあ、うちの地域でもローカルフェスを開こう!」というのは早計かもしれません。事実、閑散としたローカルフェスを目にしたこともあります。
集客力が強い東京で行うのならともかく、ローカルで開催するフェスについては地ならしが重要なのかもしれません。
この点は、EDOROCK MUSIC&ART FESTIVALの実行委員長の藤田あかねさんの記事でも触れています。
『クラナリ』vol.2「ローカルフェスのつくり方」に掲載 |
Have A Good Day MotoyawataもEDOROCK MUSIC&ART FESTIVALも屋外で行われ、音楽とアートが関係してるわけですが、湊さんと藤田さんとでは進め方が異なります。
ローカルフェスを検討している人は、それぞれのやり方を参考に、自分なりの方法論を検討するといいでしょう。
湊さんは、仲間を大事にする人ではありますが、仲間内の小さなコミュニティをつくろうとはしていません。市川の外にも、情報を発信していこうとしています。その意味でも、広大な海を航海するルフィと似ている気がします。
湊さんが経営する自転車店「DEPOT cycle&recycle」が17年目を迎える今年からは、「DEPOT COMMUNITY SERVICES」として活動を広げていくのだそうです。
DEPOT COMMUNITY SERVICESでは、湊さんとその仲間たちがプロデュースしてきた「ICHIKAWA CITY」などとロゴが入ったご当地Tシャツや、街歩きの地図というより表現方法の一種である「ICHIKAWA MAP」、そしてHave A Good Day Motoyawataというローカルフェスに関して、「市川には、こんなゴキゲンな活動がありますよ!」とネットなどで発信するとのこと。それで「じゃあ、うちの地域でも……」という申し出があれば、方法論を提案していくことになります。
すでに、ある地域でこうした提案をし、実現に向けた動きも始まっていると湊さんに聞きました。「必要があれば、これまで一緒に活動してきた仲間にも声をかけるという感じでしょうか。ガッチリとスクラムを組んで進めていくわけでもなく、もっと緩い感じですね」と湊さん。
日本一の都市、東京の隣にあり、東京で働いて遊んで寝に帰るだけの市川。人口が多くても、ある意味では空洞化していたのかもしれません。「市川から東京へ」という人の流れを「市川から市川へ」と変える仕組みづくりの一つとしての、Have A Good Day Motoyawata。次回は8月10日(土) 8:00~16:00に開催予定です。
▽Have A Good Day Motoyawataのサイト
https://www.ichikawatezukuri.com/good-day-motoyawata/
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