晩秋に、桜を眺める


 江戸川土手の桜並木を眺めに行ったのは、春ではなくても咲く桜の名前を知ったからでした。

 十月桜(じゅうがつざくら)。

 その名を知るきっかけになったのは、じゅんさい池で撮影した写真でした。

八重咲


 紅葉にはちょっと早い11月の終わりに、桜らしき花を見たのでした。
 「この花は桜でしょうか」とSNSで問いかけたところ、十月桜だと教えてもらったのです。

 「江戸川土手にも、秋や冬に咲いている桜があったはずだ」と思い出し、その木を見に行くことにしました。



 今年の天気は不思議です。
 11月末というのに、長そでのシャツと薄いダウンベストでも平気。「いつもはこんなに暖かかったかな」などと思ってしまいました。

 なにより、10月に大型の台風に2度も襲われたということ。強風のために、土手の大きな桜の木も根から抜けて倒れていました。

 いろいろとあった2019年でしたが、土手でも桜が咲いていました。花の形から推測して、じゅんさい池で見た木と同じ十月桜でしょう。

こちらも八重咲


 もう1本の桜は、暖かさのせいで勘違いして花を咲かせたようですね。花の形が異なるだけでなく、ポツンとほんの少ししか咲いていませんでした。

 桜の葉は枯れて散り、松は青々しく、柿がなっている江戸川土手に、桜の花がひっそりと咲いている…… そんな市川の晩秋でした。 
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