曽谷の「山伏之墓」ファイナル

 市川市曽谷に「山伏之墓」と刻まれた石碑があることを、『クラナリ』では2019年10月31日に取り上げました。

 この「山伏之墓」が、 2022年8月14日放送のテレビ朝日系「ナニコレ珍百景」でも登場するという情報が入ってきました。

 「ようやく真相がわかる!」と期待して番組を見ていたのですが、「山伏之墓」の前に登場したのが「涙石」。『クラナリ』だけでなく、ほかの市川市民が「乾いていることも珍しくない」と確認した石なのに、番組では「乾かない」と紹介されていて、「あれ、あれれ?」と思い始めていました。ちょっと悪い予感が……。

 そして念願の「山伏之墓」。VTRで、「山伏之墓」の石碑が建つ土地の持ち主が登場。腰が曲がった、とても高齢だと見受けられる女性で、女性の夫が生前に建てたとのこと。それが約50年前の出来事といいます。

 50年前といえば、昭和40年代中盤。石碑としては、新しすぎる……。


 ちなみに、山伏や忍者については、「過去のもの」と思われがちですが、現在も存在しています。私は雑誌編集者時代に、東京で山伏の妻と会食し、福井で忍者を取材しました。


 ですから、50年前にも、当然、山伏はいたはずです。しかし、故人の骨を、勝手に敷地に埋めるのは「墓地、埋葬等に関する法律」に反します。「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。」と書かれています。

昭和二十三年法律第四十八号墓地、埋葬等に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC0000000048_20150801_000000000000000


 そうなると、「山伏之墓」の下に、山伏の遺骨を50年前に埋めたとは考えられません。

 何の意図があって「山伏之墓」を建てたのかは、謎に包まれたままです。ただ、少なくとも「埋葬されていない石碑」ということだけは確実でしょう。

 『クラナリ』では「山伏之墓」の現物を把握しておらず、「曽谷の貝塚近辺」ということしかわかっていません。

曽谷貝塚(市川市サイト)より

 曽谷貝塚には何度か足を運んだことはあるものの、「山伏之墓」については見たことがなく……。
 市川市のサイトでは「国史跡指定面積 50,216.87平方メートル(うち公有化済面積 34,221.62平方メートル)」と書かれているため、公有化されていない155995.25平方メートルの中のどこかに「山伏之墓」があるのでしょう。



 


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