市川大百科事典 い 市川の梨 いちかわのなし

 市川の梨 いちかわのなし

 「市川の梨」は、2007年に地域団体商標(※)として登録された地域ブランド。「市川のなし」のロゴマークが使われている。

市川市サイトより

 市川市での梨栽培は江戸時代から始まったとされている。

梨祖 りそ


 『市川市國分周辺の変遷   聞き書き 資料編』には、「わたしら子供の時分は、市川駅から真間へ入った一帯、菅野、八幡は、ブドウや桃畑もあったが、全体が梨畑」「八幡の梨は旨くないけど渋が出ないから料理や向きだった」 という記述もある。

 『市川市が誕生したころ』(市立市川歴史博物館)に、1939(昭和14)年の新聞(東京日日新聞千葉版)記事が掲載され、「イチゴ、桃、梨の名産地でもあり一帯を一般の清遊地として設備をし銃後をゆたかにすべきであらう」と書かれていた。

 しかし、1941年(昭和16年)に始まった太平洋戦争で果樹は伐採された。
 「市川の特産品だった梨や桃の木は切られ麦やジャガイモが植えられた。また明治三十五年から栽培され、東京市場の一割以上を占めていた市川のイチゴ畑は水田となり、市川の果物は完全に中断されていた」と『写真で見る わがまち市川』に記載されている。



○主な品種と収穫時期

幸水 8月上旬から8月中旬まで
豊水 8月下旬から9月中旬まで
あきづき 9月上旬から9月下旬まで
新高 9月中旬から10月上旬まで

※地域団体商標制度
地域の事業協同組合や商工会、商工会議所、NPO法人等が使用する「地名+商品(サービス)名」からなる商標について、一定の要件を満たした場合に登録を認める制度

参考資料


クラナリ 2023/08/07初出、2023/09/01更新


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