市川市大百科事典 し 浚渫 しゅんせつ

浚渫 しゅんせつ

  水底の土砂をさらって取り除く工事。「ポンプ浚渫」と「グラブ浚渫」がある。

○ポンプ浚渫

 土砂と水を一緒に吸い上げてから、埋め立て地に土砂を吐き出す
東北地方整備局 港湾空港部 - 国土交通省浚渫工事ってなんだろう?より


○グラブ浚渫

 クレーンでつかみ取った土砂を、船に乗せて運び出す
東北地方整備局 港湾空港部 - 国土交通省浚渫工事ってなんだろう?より


 上記のような土木機器がなかった時代は、「板鋤簾(いたじょれん)」という道具で、土砂をすくい取っていた。鋤簾は、土砂などをかき寄せるために使われる道具を指す。
東北地方整備局 港湾空港部 - 国土交通省浚渫工事ってなんだろう?より

板鋤簾 千葉県 臨海部のいまむかしより


 江戸時代には浚渫工事は「川浚え(かわざらえ)」と呼ばれ、1821(天保2)年に、大阪府の安治川で実施された「天保の大浚え(安治川の川浚え)」が有名とのこと。
 東京湾では取り除かれた土砂で埋め立て地を作った。それが現在の佃島、月島、勝どきである。

 現在、江戸川については、国土交通省の江戸川河川事務所が、浚渫作業を行っている。


三郷出張所だよりより

 東京湾では、千葉県県土整備部港湾課が、市川泊地(船が安全に停泊できる海面、市川水路北側)と市川航路の維持浚渫工事を行っている。

市川泊地(市川泊地の水深減少についてより)

海上保安庁サイトより

浚渫が行われている箇所(市川泊地・航路の維持浚渫工事についてより)


 浚渫工事の費用は、大阪府枚方市のデータだと、1㎥当たり16,344円。
 浚渫はやり方によって費用が変わることから、会計検査院が浚渫工事費の積算を適切に行うように、国土交通大臣に処置を求めたというデータもある。


クラナリ 2025/09/21



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