【コミュニティづくり入門】コミュニティを長続きさせるには、コミュニケーションのルールが大切

　コミュニティというのは、あいまいな言葉で、個々人でイメージするものは異なると思います。

　慶應義塾大学の金子郁容教授は、『コミュニティビジネスの時代』（本間正明、金子郁容、ほか　岩波書店）で、コミュニティについて「一定のルールを共有する人々の集まり」と記述していました。
　これをもとに、『クラナリ』では「共感・共通点を理由に集まった人々が、一定のルールを共有する場」ということにしました。

　金子教授の記述だと、会社や学校の組織という人々の集まりもコミュニティに含まれてしまいそうですが、給料を得る目的で集まった人をコミュニティと呼びたくないと、個人的に思っています。
　加えて、一方向で「教える－教わる」という人間関係なども、コミュニティと呼ぶのは違和感があります。

　また、「場」には目に見える場所だけでなく、インターネット上の情報サービスも含まれます。

　場におけるコミュニケーションでは、「一定のルール」が必要になるはずです。
　私の経験では、句読点などがぐちゃぐちゃで意味不明なのですが、とても攻撃的で失礼な言葉を並べた長文を、多数のグループメンバーに送りつける人物がいました。すると人々が離れていき、場が消失します。
　コミュニティを長続きさせるには、コミュニケーションのルールが大切だと実感しています。

　地域社会としての「地縁型コミュニティ」。
　「○○が好き」で集まるファンクラブやサークル活動のような「テーマ型コミュニティ」。
　Facebookなどの「ネットコミュニティ」。
　さらには「コミュニティカフェ」「コミュニティビジネス」など、コミュニティにまつわる言葉はたくさんあります。
　ですから、『クラナリ』では無理に定義づけをせずに、個々人でイメージするコミュニティというものを尊重したいと思っています。