市川市の隣の船橋市のご当地キャラクターは「船えもん」が公認で、全国的に有名な「ふなっしー」が非公認の理由(2023年1月18日初出、2023年7月20日更新)
千葉県内では、ご当地アニメやご当地キャラクター(以下、「ゆるキャラ」)など、「ご当地系」の活動が早くに始まっていたとのこと。
非公認ゆるキャラで全国的にも有名なのは、船橋市のナシの妖精「ふなっしー」。なんと、吉本ばななの小説『ふなふな船橋』(朝日文庫)にも登場します。
2011年11月、船橋市に住むデザイナーが「長年住んでいる船橋市を活性化したい」と考え、パソコンでわずか30分程度で作られた大人気キャラ、ふなっしー。
https://www.news-postseven.com/archives/20130512_187320.html?DETAIL
そんなふなっしーを、船橋市役所は、公認しません。公認しない理由について、調べてみました。
船橋市公認のゆるキャラは「目利き番頭 船えもん」。2013年4月5日に船橋市が正式に、船えもんを発表しました。ふなっしーの登場から1年半ほど後のことです。
2013年4月の時点では、ふなっしーの知名度はかなり高まっていました。それにもかかわらず、船えもんを投入したわけです。理由は以下のとおり。
市でキャラクターを作るときは、どんなキャラクターがよいか、市民の声を聞き、公募で支持が集まったものを公認とします。しかし、ふなっしーは個人が作ったものです。それを後から公認とするのはシステムとしてないのです。
ゆるキャラの制作には、主に3つの方法があります。
1 一般公募
2 キャラクターの制作を業務委託
3 地方自治体の職員などによる自己制作
ふなっしーについては、船橋市在住のデザイナーが個人的に制作したもので、当然、著作権はそのデザイナーにあります。
また、ふなっしーはテレビコマーシャルや番組にも出演していて、その自由度の高さから、公認するのが難しい状況だったと推測できます。
ちなみに市川市非公認のゆるキャラには「ダイコン爺さん」がいます。
2016年に市川市の畑で生まれたという、大根のゆるキャラ
![]() |
ダイコン爺さん(市川市文化会館サイトより) |
ただ、市川市の畑で見かけるのはネギが多くて、ダイコンは見たことがないのですが……
また、「千葉県市川市の小さな畑で生まれ箱根強羅温泉に通い続けていたら御縁で『箱根強羅観光親善大使』に任命され箱根強羅へ観光客を招き入れる宣伝活動もしている」そうで、「それっていったい……」という感じがなきにしもあらず。
市川市文化会館のサイトに掲載されている上の写真にも、ばっちりと「強羅駅」とあります。
なお、市川うららFM広報大使・じもとの放送局広報大使とのことです。
市川市で市役所や団体が公認しているゆるキャラに、以下のものがありました。
![]() |
クロロとバララ(市ホームページより) |
![]() |
いちかわうそ君(市川商工会議所青年部サイトより) |
![]() |
市川梨丸(市川市動植物園サイトより) |
市川市の隣の松戸市には、非公認ゆるキャラの「ばけごろう」が2018年10月27日デビューしたとのこと。サイトを見たところ、コロナ前までは活発に活動していたようです。
それにしても、ばけごろう。白いオバケとのことですが、松戸市の歴史や産業などとどのようなつながりがあるのでしょうか……?
公認と思われるのが、「まつまつ」。松戸市のホームページで紹介されていました。
2010年に始まったゆるキャラグランプリは、2020年に終了。グランプリの全盛期の2015年には1727体もの参加がありました。その後、参加が減り続け、2018年は896体とピーク時の約半数となっています。
自治体によっては、「ゆるキャラではPR効果が分かりづらい」「税金を使って着ぐるみなんて作るな」「着ぐるみがどんどん汚くなっている」といった声もあったそうです。ゆるキャラが全国で群雄割拠する中で、「もはや、名前すら覚えてもらえない」と早々に白旗を上げる自治体もありました。
ゆるキャラはどこへ消えた?
https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20180801-OYT8T50038/5/
歴史を振り返ると、地域の活性化を目標に掲げて地方自治体が開催した博覧会である「地方博」や、国体(国民体育会)で、ゆるキャラが作られるようになります。
あまたのキャラがみうらじゅんに「ゆるキャラ」と総称されたのは、2000(平成12)年頃のことです。
ゆるキャラを地方自治体や企業が制作するのがブームとなり、2010年にはゆるキャラグランプリが始まります。
船橋市では、2011年にふなっしーが個人によって、2013年には船えもんが船橋市によって制作されました。ふなっしーを公認しなかった理由には、「個人が制作したゆるキャラを、後から地方自治体が認める」というケースがなかったこと、それから著作権などの権利関連、さらには公認することによる活動の制限などが考えられます。
ゆるキャラ制作ブームは2015年にピークを迎え、2025年現在、まちおこしでは動画制作が主流になってきています。
■主な参考資料
地域振興キャラクター活用マニュアル
https://www.jpaa.or.jp/cms/wp-content/uploads/2017/04/charactermanual.pdf
地域振興キャラクター活用マニュアル
https://www.jpaa.or.jp/cms/wp-content/uploads/2017/04/charactermanual.pdf
ゆるキャラグランプリ公式サイト
https://www.yurugp.jp/yvs
ご当地映画トラブル長期化か 岐阜・関市の補助金2000万円返還確認できず 制作側「返す根拠ない」
Leave a Comment