【コミュニティづくり再入門】市川市学習交流施設 市本で「地域コミュニティづくり」を考える7 地域交流施設のこれからの運営は?
気になるツイートを目にしました。
交流の場として1年で効果を出すのは難しいでしょう(アンカー市川は3年やりました)市長は「図書館もあるので」と言っているので、今後は既存の公共施設を活用して同様のユニークな取組みをしていきたいですね年間3000万はかからないと思います(アンカー市川は年間600万^ ^)
アンカー市川とは、市川市真間2丁目16−12にある建物の名称。2019年6月から2021年9月まで、「みんなでつくる自分の居場所」というテーマで、多彩な取り組みが行われてきた場所です。
JR市川駅から徒歩10分、京成電鉄市川真間駅から徒歩8分の立地。3階建てで、1階には洋室・台所・小上がり・トイレ、2階は洋室・和室・トイレ、3階は洋室2室・トイレがあります。
不動産の相場など全然わかりませんが、駅から徒歩圏内で各階にトイレもあったわけで、けっこう家賃がかかっていたのではないかと推測します。
アンカー市川で行われていたイベントその他は、幅広いものでした。『クラナリ』では、そのほんの一部を紹介していました。以下の写真は、クリスマスマルシェの様子。
「あのアンカー市川の運営費は年間600万で、駅近とはいえ市本は年間3000万円なのか……」と非常に驚きました。ちなみに市本の開設のため、令和3年度に6000万円を超える費用がかかっているようです。
市本では本や文具を取り扱っていました。本については 「コミュニティづくり再入門」 市川市学習交流施設 市本で「地域コミュニティづくり」を考える4 「本を介した地域交流」が困難なことが浮き彫りに でも述べたように「再販制」なので返品が可能。
文具については、運営会社であるコクヨアンドパートナーズ株式会社の親会社の商品を置いていると思われ、さらに、それほど単価が高いものを扱ってなかったはず。
カフェスペースについては、生鮮食品を使ったメニューがなく、ロスも少なかったのではないかと。
「年間3,000万円かかるという内訳ってどこかでわかるんですかね…」というツイートもありました。『クラナリ』の編集人と同じような感覚を抱く人は、ほかにもいるようです。ネットで検索した限りでは、運営費の内訳はわかりませんでした。
ただ、たとえ運営費が安かろうと、「市民の交流という効果が期待通りに現れていない」(市川市の田中甲市長)という状況であれば、「本を介した」という方向性は見直されたでしょう。市民が納めた税金を投入しているので、安ければいいというわけでもありません。「交流」という目的を果たすが重要。
一方で、初期に6000万円以上を投入しちゃっているわけです。取り壊したり、放置したりするのも、もったいない話です。
ならば、市本の今の施設を、そっくりそのまま残して、市民の交流を目的に、別の企画で利用するのはどうでしょうか。地域コミュニティに対する態度は以下の3つに分けられ、予想では次の割合と思われます。
積極的に「つながり」として作っていきたい人 20%
「しがらみ」と感じて避ける人 20%
「あってもなくても、ちっとも困らない」という無関心な人 60%
ですから、積極的に「つながり」として作っていきたい人たちが、熱量を持って、無関心な人も巻き込む勢いで市民の交流を促す必要がありそうです。
ここから、妄想の域に入ります。
市本の施設はそのままで、3~6カ月のタームで、市内の企業や文化施設がアンテナショップを開きます。市川市の玄関口、JR市川駅から徒歩1分です。アンテナショップにぴったり。
市は有料でハコモノを貸すだけなので、施設管理の最低限のコストで済みます。
「本を介して」などと手段を絞って交流を促すのは、困難だと推測されます。市本には「存在を知らなかった」という意見もありましたが、それもそのはず。市民の趣味嗜好はバラバラです。
ですから、数多くの団体に利用してもらい、「こんなハコモノがある」と認知を促すことを第一とします。団体の関係者はハコモノを利用してくれるだろうし、熱心にSNSなどでPRしてくれるでしょう。
妄想1 市川レンコンの会による「パソコン・スマホ解体デモンストレーション」
社会福祉法人 市川レンコンの会(第4レンコンの家)は、不要になったパソコンやスマホ、ゲーム機などを無料で回収してくれます。「電話をかけるだけで、取りに来てくれる」というのが便利なのですが、個人的には「パソコンの解体はどのように行われるのかな」「内部はどんな構造になっているのかな」と興味を抱いていました(私だけかもしれませんが)。
そこで、市川レンコンの会のスタッフが、パソコン・スマホの解体を市本の施設で実演。さらには、ここでパソコンやスマホ、ゲーム機などを回収すると同時に、事業の宣伝を行うのです。
実演については毎日は無理でしょうから、その様子をパネル化して展示。機械好きな人には面白いだろうし、子どもたちもスマホやゲーム機を使うばかりじゃなくてどんな機器なのかを知るのもよさそうです。
食品衛生法を確認する必要もありますが、カフェスペースでケーキ工房ロチュスのスイーツを提供。
妄想2 市川考古・歴史博物館 出張ミニ展示
現在、企画展「遺伝子からみた古代のイヌ」が行われているのですが、会場が遠いのと、今は寒くて風が強いのとが相まって、行くのがちょっと……
立地的に、市川考古・歴史博物館に足を運ぶのには気合が必要な人も多いのではないでしょうか。
ですから、市川考古・歴史博物館のスタッフに来てもらって、展示と説明をしてもらいたいのです。博物館のスタッフと話ができる機会を設けてもらうのもうれしいかなと。個人的には、「江戸川の流路の、時代による変遷」に詳しいスタッフに会いたいですね。
カフェスペースについては、「おやつ屋和希」など市内の専門店とコラボして、市川考古・歴史博物館のアイコンを模した「土器クッキー」など、オリジナルのスイーツが提供できるようにするといいでしょう。こちらも、保健所との相談になるのでしょうが。
妄想3 「市川とまと」フェア
市川市農産物等普及協議会が、東京メトロ東西線行徳駅の南口駅前広場で「市川とまと」フェアを行ったとのこと。
40分で終わるほど盛況だったそうなので、たった1日だけで終わらずに、もっと期間を延ばして行うのもいいのではないかと。
同時に、トマトを使った商品、例えばアランチャ・ドレッシングのトマト麹ドレッシングなどを販売。
カフェスペースもあるので、試食もできます。
市川で起業を目指している人は、大先輩のアランチャ・ドレッシングの創業者である田中和子さんから話を聞くのもよさそうです。
以上、『クラナリ』の独断と偏見、欲望の赴くままに妄想を書き連ねました。完全なる妄想なので、団体名などは勝手に記載しています。問題があれば削除しますので、ご連絡ください。
積極的に「つながり」として作っていきたい人は、こんな妄想とはけた違いのスケールで、大量の、現実的なアイデアを持っているはずです。こうした市民に「委ねる」形のほうが、運営費を抑制できるように思います。
企画の評価などは市の職員が行うことになるので、面倒にはなりますが、そこは「地域コミュニティづくり」という目的のために取り組んでほしいところですね。
市民の意欲を取り込む。
市民の声を拾う。
少子高齢化が進み、さまざまな問題は起こっている今、必要なことではないでしょうか。

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