「2050年問題」から今をデザインする 市川みらいアーカイブの仕組み


市川みらいアーカイブの仕組み(目標

 市川みらいアーカイブは、未来を考える枠組みを作るための道具です。そのため、以下の機能を必要としています。
○近い将来にまちづくりを担う人たちが、必要な情報に素早くアクセスできる
○情報が継承される

 この2つの機能について、説明します。

 冒頭の文中の「近い将来」については、2050年を想定しています。日本では、2050年までに次の5つの変化が訪れると考えられてきました。

地方では、出生率の低下と都市部への人口流出が進行し、1万人未満の小規模自治体が増加する。

2050年には65歳以上の単身世帯が全世帯の約2割を占め、特に女性が多くなる。

生産年齢人口の減少に伴い、労働力人口は減少に転じる。
2030年代は、団塊ジュニア世代の高齢化が進み、労働力不足が深刻化する。

2050年には122万人の介護職員不足が推計される。

人口ボリュームゾーンの後期高齢者入りはマクロの消費を減少させる可能性も。

2050年の人口ピラミッド(予想、国立社会保障・人口問題研究所より)


 2050年と関連して、最近報じられたのが静岡市の人口減少です。
静岡市の人口は1990年をピークに減少し続け、5年前には70万人を割り政令指定都市の中で最下位。
このまま何も対策を施さないでいると2050年には約49万人にまで減少すると推定されている

 静岡市の面積は1412 km²で人口は67万129人(2025年5月)、市川市の面積は57.45 km²で人口は49万6650人(2025年4月)です。静岡市の面積は市川市のおよそ24.5倍ということになります。
 高齢化率については静岡市が30.7%(2025年5月)で、市川市は21.5%(2025年4月)でした。
 クラナリは、最近、何度か静岡市を訪れたのですが、市川市と比べて生活するための最低限のコスト(水道光熱費など)が高くゴミ収集などでは地域コミュニティに依存する割合が大きいという印象を抱きました。
 2050年問題では、市川市よりも静岡市が一歩先を進んでいるといえるので、静岡市で起こっていることを参照して市川市の「近い将来」を思い浮かべることができます。
 なお、静岡市は、2019(平成31)年に、立地適正化計画(行政・住民・民間事業者が一体となり、コンパクトなまちづくりを促進するための制度・計画)を改定していました。
 2050年には、1970~84年〈昭和45~59年〉生まれのロスジェネ世代(団塊ジュニア、氷河期世代)が高齢者となります。この年に「生産年齢人口」に当たる、ゆとり世代(さとり世代)やZ世代に、まちづくりの情報を継承する必要が感じられます。

 そのため、市川みらいアーカイブでは今の20~40代をターゲットに、情報を整理していく予定です。
 具体的には、情報端末はスマホがメインなので、テキストと画像はスマホでの読みやすさ・見やすさを重視します。そして、価値観の押し付けにならないように、表現に注意を払います。

 また、情報の継承のために、市川みらいアーカイブはほぼ0円で運用し、データはすべてクラウドにアップしています。今の20~40代にとって負担のかからない形を、これからも検討していきます。

 さらに、数年後には少額でも収益が得られる仕組みを構築できるように努め、今の20~40代が小さな副業として市川みらいアーカイブを運営できることを目指します。
 現時点では、有料会員限定のサイトを設けています。
 市川市内外の情報を整理してアーカイブを作成し、その情報をもとに一般サイトと会員サイトを運営。有料会員に対しては、会員限定のコンテンツが見られるほか、ぷらっとした集まり(例えば「月梅の塩ねぎそばを再現してみる会」など)への招待など、特典を検討します。

 
市川みらいアーカイブの仕組み(目標



 将来、運営する人たちにとって、市川みらいアーカイブが小さな副業、そして地域での緩いつながり、ささやかな学びの場となるように、仕組みをデザインしていきます。
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